秋鹿 秋鹿酒造

〒563-0113 大阪府豊能郡能勢町倉垣1007  電話072-737-0013  秋鹿酒造有限会社

大阪府 秋鹿酒造 秋鹿 奥鹿 商品詳細ページ

蔵紹介

秋鹿酒造のある能勢とは 蔵元曰く「夏は大阪の軽井沢 冬は大阪のチベット」?新大阪からJR、阪急電鉄、能勢電鉄、あとはバスかタクシーで新大阪からの所要時間は約1時間半ほど。車かレンタカーなら京都亀岡駅から30分ほどで行けます。結構な山奥です(笑)。

大阪というよりは、京都に近く、ある意味では京文化の影響を受けた地域と言えると思います。

蔵元兼杜氏の奥社長のもと、奥様と息子さんと娘さんの両ご夫婦が中心となって酒造りと米造りを行っている、いわゆるドメーヌ。現在では製造しているお酒の半分以上を自営田の酒米でつくる全量純米蔵です。

自営田で作っているお米は、山田錦と雄町の二種類。そのほか契約栽培の地元の山田錦や広島産八反錦などを使っています。

秋鹿では自前で精米機を所有して精米しているので、精米でできた米ぬかを自営田に肥料として使用しているため化学肥料を使用しておりません。いわゆる循環型農業になっているので、味の濃いお米で味の濃い酒となっています。自営田米で造ったお酒のラベルには、すべてに「へのへのもへじ」のマークが入っています。

酵母は協会9号と7号が中心ですが、耐アルコールの協会11号酵母、多酸酵母の協会28号酵母、制御が難しい協会8号酵母など特殊な酵母も使用しています。

製造量は、当店の取引している蔵のなかでは大きなほうで約1200石前後です。造りは速譲のほか、山廃、生もと造りも行っています。秋鹿といえば生原酒が多いと思っている方が多いと思いますが、実際の出荷量は生と火入れがほぼ半々です。

銘柄は「秋鹿」と「奥鹿」の2種類。通常商品は「秋鹿」3年以上蔵で熟成させて出荷する酒は「奥鹿」となっています。

仕込みタンクも他の蔵に比べて大きく、スタンダード純米などは2トン仕込みです。また純米は70%精米、純米吟醸は60%精米とあまり磨かない酒で、80%精米の酒もあります。

近年では、米を溶かす造りを重視しており、もろみ日数も長くなっており、その結果、粕歩合も20%以下になっているとのことです。

秋鹿の酒の味の特徴と言えば「酸」!!これにつきます。数値から言っても一般的に流通している酒は酸度が1.0以下。当店の扱っている蔵の酒で低いものでも酸度1.7前後。では秋鹿は基本2.0以上ばかりで中には3.0を超えるものも。多産熟成などは3.8、クレマンドノゼに至っては8.5の酸っぱさです。これほどの酸度の高さにもかかわらず、なぜ秋鹿の人気が高いのか。それは酸の味にあると思います。優しく角のとれた丸い柔らかな味で、食欲がそそられる味わいのある酸味が酸っぱさを感じさせず、キレの良さにつながるのが理由かと思います。

秋鹿の特徴のもう一つにその香りがありました。秋鹿といえば生ヒネ香、いわゆる秋鹿臭です。ある意味、マニアックな秋鹿ファンにとっては魅力的な香りでしたが、生ヒネ香が苦手な人にとっては全く理解できない香りでした。しかし10年くらい前から、全くこの秋鹿臭がなくなりました。これは我々の解釈でいえば、麹の作りがよくなり完全発酵型になってきた結果、生酒の常温放置でもヒネることが無くなったせいかと思います(この傾向は他の蔵にも表れています)。

秋鹿と相性の良い料理はなんといっても出汁! 先に記したように能勢は京文化の影響を受けた地域です。したがって京料理のように、出汁を中心に仕立てられている食文化に合った酒になっています。

2021/10/29