〒693-0001 島根県出雲市今市町662 電話番号0853-21-0039 旭日酒造有限会社
蔵紹介
出雲大社のある出雲市。JR出雲駅から歩いて5分ほどのところにあるアーケードのある商店街サンロードなかまちの中ほどにある製造石数700石前後で、当店の取引のなかではやや大きな蔵です。
700石のうち多くは地元銘柄「八千矛」を中心として地元消費の酒として出荷されており、県外に出ている酒はそんなに多くはりません。また「八千矛」は出雲大社の御神酒としても奉納されています。
酒造りは、杜氏が娘婿の寺田幸一さん、副杜氏が娘さんの寺田栄里子さんの二人体制での造りをしています。
この蔵の最大の特徴は、蔵付き酵母の存在です。酵母添加した酒でも蔵付き酵母の影響は必ずと言っていいほど現れています。その蔵付き酵母は協会11号酵母系の耐アルコール性酵母の性質に酷似しており、発酵力が強く自らのアルコールでも死滅しにくいため、ほとんどの酒はアルコール度数が20度を超えます。よって搾る前に追い水をして20度以下に落としてから搾ります。
当然のことながら日本酒度も高くなります。プラス5や6は当たり前、高いものではプラス10を越える酒も結構あります。日本酒度が高いということは残糖度が低いのでただ辛いだけの酒になりがちですが、十旭日は旨味(アミノ酸)も高いのでバランスの取れた味わいになっています。
使用酵母は協会701酵母、島根K-1酵母のほか、生もとはすべて蔵付き酵母(酵母無添加)です。
酒米はスンダード純米の島根県産五百万石をはじめ、地元産の佐香錦、改良雄町、飯米のコシヒカリや岡山目黒農場産の雄町などを使っています。
十旭日のお酒は、生良し、火入れ良し、熟成良しのそれぞれのお酒にそれぞれの良さがあるのも魅力の一つだと思ます。しぼりたて生酒はフレッシュな味と辛さの際立つキレの良さがあり、生の熟成は芳醇な味と、とろみのある味わいが生熟好きな方に人気です。火入れも若いうちは、お燗するとゆるりとしたふくらみが心地良い味わいで、熟成するとこれまた深い味の飲み飽きしないお燗酒が楽しめます。現在はもうありませんが、お取引を始めたころにあった純吟佐香錦の10年熟成などは今でも印象に残っている酒の一つです。
基本、醸造年度別にブレンドしないで出荷されますが、スタンダードの五百万石純米だけは、デイリー純米酒として飲み続けていただくために醸造年度が替わることによる味の変化を最小限に抑えるため、単一年度をある程度出荷したのち、出荷されていた年度と翌年度の二年分をブレンドして出荷、その後また翌年の単一年度だけ出荷されております。
相性の良い料理は、基本魚料理です。特によく合うのは魚の練り物。島根のお土産の一つ、アゴ(トビウオ)の「あご野焼き」にはぴったりです。
以前はタンクによって味わいのできにばらつきがありましたが、温度管理がよくなってからは、タンク差がなくなってきたと同時に、料理との相性も、塩味系だけでなく醤油系とも相性がよくなり、トマト系やチーズなどにも幅広く合う酒となっています。
2021/11/09